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アメリカ2008大統領選関連 09.12

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特集:共和党大会とマッケインの逆襲 1p
<今週の”The Economist”誌から>
”Bring back the real McCain” 「真のマッケインに戻れ」 8p
<From the Editor> 共和党「王朝」の法則 9p
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■特集:共和党大会とマッケインの逆襲

先週に引き続き、米大統領選挙の党大会についての報告です。今週はミネソタ州セントポールで共和党大会が行われました。先週号でも指摘した通り、2つの党大会が「2週連続」で行われることは、長い歴史の中でも非常にめずらしいことであり、「後攻め」に多少の利があるはず。そこでマッケイン候補が繰り出してきたのは、「44歳の女性アラスカ州知事を副大統領候補に指名する」という大胆な勝負手でした。
大抜擢人事の効果は抜群で、オバマによる歴史的な受諾演説の記憶は速やかに薄れ、選挙戦の関心は一気に彼女に集中しました。とはいえ、これは危険なギャンブルであることも否定できません。逆襲の成否は、サラ・ペイリンの未知数の能力に懸かっています。わずか1 週間で、政治が劇的に変化した様子を追いかけてみました。

●流れが変わった1 週間
2008 年米大統領選挙は息の長い戦いである。これまで多くのスターが登場しては消えて行った。2007 年夏の時点では、「共和党はジュリアーニ、民主党はヒラリーのニューヨーク決戦」が本命と予想されていた。今年になって予備選挙が始まってからも、フレッド・トンプソン、マイク・ハッカビーなどの「希望の星」が、浮かんでは消えていった。
しかし本選挙を2 ヵ月後に控えたタイミングで、まったく新しいスターが誕生した。8月29 日にマッケインがみずからのRunning Mate に指名するまで、米国民はサラ・ペイリン知事(アラスカ州)をほとんど知らなかったはずである。しかしわずか1週間で、彼女は米国政治のメインステージに立ち、今や勝敗の鍵を握る存在となってしまった。

下記のグラフは、intrade.com における「マッケイン株」の値動きである。同株はネット上で、「マッケインが当選すれば1 ドル」になる前提で取引されており、最近は40 セント前後で推移している。これは「勝率40%」を意味しているといってよいだろう。
マッケイン株は、28 日のオバマの名演説の後に下落し、29 日の副大統領候補発表で上昇した。しかるに週末に、ペイリンの家族をめぐるスキャンダルが伝わると、再び40セントを割り込んだ。そして受諾演説を行った翌日には再び反発している。

数字上は、マッケインの当選確率が上昇したわけではない。ただし投票日の2ヶ月前になって、メディアの注目と有権者の関心を初めて共和党側が掴んだ意味は大きい。2008年米大統領選挙では、常に民主党側にスポットライトが当たっていた。オバマ対ヒラリーが歴史に残る激戦であったことも手伝って、資金量でも情報発信量でも一貫して民主党が共和党を凌駕してきた。その流れが初めて変わったのである。
客観情勢を考えれば、評判の悪いブッシュ政権2期8年の後で、「よくまあ、共和党がここまで盛り返したものだ」と感心すべきなのかもしれない。戦後の米国政治において、2期8 年の政権の後で反対党から大統領が出なかったのは1988 年の1 回限りである。おそらく2008 年大統領選挙は、僅差の勝負になるはずである(本誌はずっとそう言い続けて来たが)。おそらく、「投票日前に行われる4 回のテレビ討論会において、失言があった方が負ける」といったミクロの戦いであろう。特にバイデン対ペイリンという副大統領候補の討論会も、大いに楽しみになったといえるのではないだろうか。


●ペイリン指名で何が変わったか
具体的な「ペイリン効果」については、以下の3 点を指摘することができる。


(1) オバマがメディアから消えた:例えば9 月1 日には、オバマはハリケーン・グスタフに関する感動的なスピーチを行っているのだが、それはほとんど報道されていない。8 月28 日の歴史的な受諾演説も急速に印象が薄れつつある。

――8 万人のスタジアムを満員にした民主党に比べ、もともと共和党大会は盛り上がりを欠いていた。自分の選挙が危ない議員は欠席が相次いだし、会場では空席も目立っていた。都合よくハリケーン・グスタフが来たから、”Country First”の美名の下で規模を縮小したというのが正直なところである。

――しかも、共和党大会には目玉商品がなかった。ところがペイリンの家族をめぐる問題が直前に浮上して、「どんな演説をするのか」「彼女の娘とそのボーイフレンドの顔を一目見てみたい」などと、副大統領候補受諾演説が一種のキラー・コンテンツとなった。これらは望外の幸運と言えるだろう。


(2) 社会問題に再び注目が集まる:ペイリンの登場によって、今まで選挙戦で語られてこなかった社会問題に火が点いた。彼女は「人工中絶反対」「NRA の終身会員」「石油掘削に賛成」という典型的な保守派であり、共和党の保守基盤(Base)には強くアピールする。このことがリベラル派の反感を買い、一種の"Culture Wars"に発展しつつある。
しかも、ペイリン家の問題は、「中絶の是非」「親子関係」「性教育」「男女共同参画」
「障害者」などの微妙な問題を一気にぶちまけることになった。

――2008 年の米国は2004 年とは違い、安全保障問題(イラク、イラン、グルジア、北朝鮮、その他)と、経済問題(サブプライム、石油高、医療保険、その他)があまりにも深刻なので、社会問題には手が回らないと思われていた。ところが政治とは恐ろしいもので、ほんの1 週間で雰囲気が変わってしまった。

――この流れは共和党側にとって「願ったりかなったり」の展開であろう。おそらくペイリンは、リベラル派の女性に嫌われるタイプである(ミスコンテストにも出場している!)。これでリベラル派が強硬に反発すると、それによって保守派が団結する、あるいは無党派層の同情が彼女に集まる可能性がある。

――同時に、争点が経済や安全保障から外れることも、共和党は大歓迎であろう。
TIMEの記者がブログで「19ヶ月もオバマを取材してきて、こんなに感動したことはない」と述べているのだが、誌面には反映されなかったようだ。
http://www.time-blog.com/swampland/2008/09/obama_on_gustav.html
2004年の米大統領選で本誌が指摘した「憤兵は敗れる」の再現となってしまう。

(3) マッケインへの疑念:共和党のマイナス面としては、「自分が72 歳と高齢なのに、経験不足の候補者を副大統領に選んで大丈夫なのか」「準備不足のまま選んだ頼りない候補者ではないのか」というマッケインの判断力への疑問が生じたことが指摘できる。この点は、今後、民主党側からも厳しく追及されるだろう。

――そもそも、マッケイン自身は安全保障問題に関心が強く、社会政策では中道寄りだったはずである。いくら保守基盤の機嫌をとるためとはいえ、なぜ極端に保守的な政治家を選んでしまったのか。これでは「無党派層を惹きつけられる」という彼の特性が失われるかもしれない。

●逆転勝利のための条件とは
当初、副大統領候補のショートリストに名前が上がっていたのは、「本命」:ミット・ロムニー元知事(マサチューセッツ州)、「対抗」:ティム・ポーレンティ知事(ミネソタ州)、「穴馬」:ロブ・ポートマン下院議員(オハイオ州)などであった。
とはいえ、普通の選択をしていたのでは、勝ち目は薄い。マッケインはそのように判断したのであろう。勝敗のシミュレーションを行う場合、全国レベルの世論調査はあまり意味がなく、州ごとの勝敗を予想する必要がある。以下はその一例であり、青が民主党優位、赤が共和党優位である。計算してみると、オバマが278 票で勝ち、ということになる。

○Electoral College 方式の試算
オバマ:278、マッケイン:247、優劣不明:13(=VA)
http://www.electoral-vote.com/index.htmlで毎日の変化が表示されている。上記は8月29日時点のもの。実はこの現状は、2004 年選挙でブッシュがケリーを破ったときの色分けとそれほど変わ
っていない。2004 年はブッシュ286、ケリー252 となったが、4 年前と比べると、4 つのレッド州がブルーに変わり、バージニア州が白(優劣不明)となっただけである。従ってマッケインとしては、まずバージニア州の確保を目指した上で、さらにどこかの州で10 票以上を上積みする必要がある。ところが、奪われた4 州の奪還は容易ではない。

* アイオワ州(IA=7):年初のアイオワ党員集会においてオバマが劇的な勝利を収めており、オバマ人気が定着している。
* コロラド州(CO=9):民主党大会が行われたばかり。オバマ受諾演説のために用意されたデンバーの8 万人分の座席のうち、半数は地元住民に配られている。
* ニューメキシコ(NM=5)とネバダ州(NV=5):ともにヒスパニック人口が急増している。彼らはヒラリー支持が多く、基本的に民主党贔屓である。

それではほかに狙えそうな州はないか。定番の激戦地、ペンシルバニア州(PA=21)は、今回はバイデンの出身地ということもあって難しい。ニューハンプシャー州(NH=4)は小さくて大勢に影響がない。となると、ミシガン州(MI=17)、ウィスコンシン州(WI=10)、ミネソタ州(MN=10)辺りをひっくり返す必要がある……。
それと同時に、共和党は2000 年の激戦地フロリダ州(FL=27)、2004 年の激戦地オハイオ州(OH=20)を死守しなければならない。こうして計算してみると、マッケインが8 月下旬の時点で「尋常なことでは勝ち目がない」と腹をくくった理由が見えてくる。

●勝負手発動の狙いは何か
サラ・ペイリンの副大統領指名に対し、当初は「ヒラリーを支持していた1800 万人を切り崩すのが狙い」という解説をしばしば耳にした。
筆者は、この解釈は疑わしいと思っている。ヒラリー支持者たちは総じてリベラルであり、男性中心社会に対するルサンチマンは有していても、「女性だから選ばれた」保守的な副大統領を支持するとは考えにくい。また、都会的で政策通のヒラリーと、田舎育ちでアウトサイダーのペイリンとではタイプが違い過ぎる。おそらく、彼女たちは迷った挙句に最後は民主党への忠誠心を優先するのではないか。そもそも女性の投票行動は、男性に比べて義理堅いし、変わりにくいのである。
むしろ焦点となってくるのは男性票の動向であろう。予備選段階で、オバマはオハイオ州、ペンシルバニア州、ウェストバージニア州などで苦戦していた。これにミシガン州も加えて、東部から中西部にかけての製造業州は、文字通りの決戦場となるはずだ。そしてこれらの州のブルーカラーの白人男性は、オバマよりもヒラリーを支持していた。彼らの中に、「黒人の指導者」に対する心理的な抵抗があることは想像に難くない。

だとすれば、共和党のチケットに「魅力的な女性」が入ってくることの意味は小さくない。民主党側は、ペンシルバニア州のWorking Class 出身のバイデンを副大統領に指名してオバマの弱点を補強しているが、それとはまったく逆方向の狙いである。結果はどう出るか分からないものの、男性票は「浮気症」だという点にチャンスがありそうだ。
もうひとつの解釈は、「マッケインは共和党の保守基盤(Base)の支持を得るための見返り」というもので、これはある程度、当たっていよう。保守派の中からは、「これで安心してマッケインを応援できる」という声もあり、実際に発表の直後にはマッケイン陣営への募金が殺到した。とはいえ、「真面目に考えた結論とは思えない」と失望を表明する向きもけっして少なくはない。

そもそも共和党は、大統領候補には順当な人物を選ぶ一方で、副大統領候補は縦横無尽かつ大胆に選ぶ傾向がある。(これは民主党とは正反対の伝統といえる)。もっとも有名なのは、ブッシュ父大統領の副大統領であったダン・クエールであろう。「小学校の授業参観に行って、子供の前でポテトのつづりを間違えた」とか、「大統領が暗殺されたら、シークレットサービスはすぐにクエールを射殺するように」というジョークがあったとか、エピソードには事欠かない人物である。それでもクエールは、党内右派の覚えがめでたい若き共和党のスターだったので、ブッシュ父は最期まで彼を切れなかった。
今回も早速、ペイリンをネタにしたジョークはあちこちで誕生している。副大統領候補同士の討論会の席上で、バイデン上院議員が言った。

「もしもロシアが再びグルジア(Georgia)に侵攻したら、あなたはどうするのか?」

ペイリン知事は答えた。

「ただちにエアフォースワンに乗って、アトランタに飛びます!」

もっともペイリンの場合は、9 月3 日の副大統領受諾演説を見る限り、乾坤一擲の舞台を立派に務めてみせたし、度胸もすわっていた。おそらくクエールよりは、「伸びしろ」のある人物なのではないだろうか。
ただし、危なっかしい副大統領候補を選んだことにより、マッケインがオバマを「経験不足」とこきおろす勢いは、いささか鈍ることになるだろう。ちょうど、オバマがバイデンを選んだことで、マッケインを「高齢過ぎる」と攻めにくくなったのと同じ構図である。今回のチケットは、民主党も共和党も「経験者と未経験者」の組み合わせとなった。あらためて、テレビ討論会でのパフォーマンスがモノを言いそうだ。ただしこういうとき、意外と痛い目を見るのは「経験者」の側なのである。
例えばネオコン論客のデイビッド・フラムは、みずからのブログの中で「これが本当にCountry Firstの選択なのか」と疑問を呈している(David Frum’s Diary on National Review Online 8月29日付け)。
http://frum.nationalreview.com/post/?q=M2VhOWE0N2VkOWI3MDdlODRlZWE4ODljMDc2NjliZDk=

●あらためて考える「人間・マッケイン」
将棋の世界では、「形勢不明のときは、相手がもっとも嫌がる手を指せ」(大山理論)とか、あるいは「普通に指していては負けそうなときは、敢えて最善手を避ける」(米長理論)といった高度な考え方がある。「勝率4 割」と目されるマッケインとしては、まさにそういう挙に出るべきタイミングであったといえるだろう。
「マッケイン=ペイリン」というチケットは、最悪、ボロ負けに至る可能性もあるが、これで一気に優劣が不明になったと見ることも出来る。こういうリスクの高い、物議をかもすような決定を行ってくるあたり、マッケインはやはり「変わり者」(Maverick)であり、「勝負師」(Gambler)タイプなのであろう。
言うまでもなく、「軍人・マッケイン」はベトナムで5 年半の捕虜生活に耐えた歴戦の勇者である。いかなる政敵といえども、「彼の愛国心を疑うことだけは不可能」と言われている。そして「政治家・マッケイン」は、党の保守基盤を激怒させるような政策を次々に手がけてきた。選挙資金改革、健全財政主義、気候変動への取り組み、そして寛大な移民政策などだ。今回の選挙戦においても、イラクへの増派支持、自由貿易、石油掘削提案など、何度もリスクの高い論陣を張って勝ち残ってきた。この手の政治的な勇敢さと旗幟鮮明さは、相手候補であるオバマにはない魅力といえる。
こうした経歴から、マッケインはしばしば「信念の人」(a man of conviction)とみなされてきた。とはいえ、今回の大胆な決定を見ても分かるとおり、自らの主義主張に対するこだわりはそれほど強くない。「何を」については頑固であるが、「いかに」については意外なくらい柔軟だ。保守基盤と妥協することも痛痒を感じていないし、議会でも民主党との間で超党派の法案をまとめあげることを得意としてきた。
むしろ、彼は「美学の人」(a man of honor)と考える方が当たっているのだろう。つくづく小泉純一郎に似ていると思うのだが、マッケインの行動基準は「みずからの名誉を守れるかどうか」に尽きている。9 月8 日号のTIME 誌が、”Honor”という表題でマッケイン特集を行っている。彼はかつて、Keating Five という収賄事件に連座したことがあり、そのことを「ベトナムの捕虜時代よりもつらかった」と振り返っている。後年、選挙資金問題に取り組むことになったのは、このときのことを悔やんだからであるという。
また、東京財団の「現代アメリカ研究プロジェクト」の中で、渡辺将人氏が興味深い報告を行っている。保守派の中でマッケインは評判が悪いが、人格的には信頼されている。なぜなら「彼はブシドー(武士道)の男だから」。
これがあるからこそ、共和党予備選で生き残ることができたのだという。不人気な共和党にとって、マッケインが望みを託せる唯一の希望の星となっている点は、まことに皮肉としか言いようがない。
アメリカNOW17号 マケイン候補に対する保守メディアの批判と「武士道」的評価 (2008年2月20日 渡辺将人)http://www.tkfd.or.jp/research/sub1.php?id=87


<今週の”The Economist”誌から>
"Bring back the real McCain” Cover story
「真のマッケインに戻れ」 August 28th 2008

* 今週は共和党大会。先週に引き続き、候補者への助言が行われています。The Economist誌は、マッケインに対して「素に帰れ」とのラブコールを送っています。

<要約>
共和党は今週、信じられないほど良い状態で党大会を迎える。国の現状に満足している人がほとんどいないのに、マッケインはオバマと僅差である。災厄に満ちたブッシュ8 年の治世の後も、共和党政権が続くかもしれない。ひとつにはデンバーで名演説をものしたオバマの弱点のせいだ。世界は荒れ放題だが外交経験がなく、浮いているように見えてしまう。そしてそれ以上に、ジョン・マッケインは共和党にとって唯一の希望の星である。
彼の愛国心は折り紙つき。党の欠点(例えば移民法と環境問題)に対する反対の歴史は、無党派層を大いに惹きつけるものがある。本誌は特に、彼の断固たる自由貿易への支持とイラク問題へのゆるぎない姿勢を買う。何より、オバマが見せたことのないような政治的勇敢さを持っている。彼なら大統領として、民主党議会と超党派の取引が可能だろう。
マッケインが抱える問題その1 は72 歳という年齢で、2 期目のレーガンを除けば就任時点で最長老の大統領となる。次なる障害は短気さだが、選挙戦中は抑制しているようだ。
3 番目は彼が戦争好きだと思われていることだ。イラン爆撃を怖れず、ロシアに対決姿勢をとり、古くからフセイン排除の論陣を張っていた。これは考え過ぎで、統幕議長や並み居る顧問たちが反対する中で爆撃はしない。そういう誤解は解かなければならない。
党大会以降の更なる懸念とは、彼が当選を目指すために信念を曲げてしまうことだ。かつてはよく多国間主義を語っていたが、選挙戦中にタカ派に流れやすくなった。例えば民主主義国だけで第2 国連を作れというアイデアは、無用な対立を生むだけである。
より問題なのは内政面である。マッケインは彼を信用していない保守派の支持を必要としているが、そのことによって無党派層の支持を失ってしまうかもしれない。
マッケインは小さな政府、健全財政の信奉者であり、保守派の妊娠中絶問題への関心は薄かった。ところがここへ来て、減税を提案する一方で宗教右派に歩み寄っている。「ガソリン税免除」のようなポピュリズムも口にしている。これらが党内右派を喜ばせるだけのテクニックなら、また消えるかもしれないが、それにしてもギャンブル過ぎないか。
投票日まであと2 ヶ月、まだ時間はある。中絶や同性愛結婚で福音派に歩み寄るよりも、税制に時間を使うべきだ。昔のマッケインはブッシュ減税に噛み付いたものだ。今ではそれを恒久化するばかりか、遺産税をなくそうとさえしている。企業減税も提案しているが、中間層にとっての利益は少ない。それでは財政赤字が拡大するばかりである。
タカ派の外交、無責任な減税、宗教への言及。これでは民主党がレッテルを貼るとおり、ブッシュの3 期目のようではないか。本紙はマッケインの1 期目を希望する。


<From the Editor> 共和党「王朝」の法則
クリントンの選挙参謀を務めたディック・モリスの回顧録『オーバル・オフィス』(フジテレビ出版)の中に、こんなエピソードが出てきます。
1996 年の大統領選挙で、クリントンがもっとも恐れた相手は元テネシー州知事のラマー・アレクザンダーでした。知名度は高くないけれども、クリントンにそっくりなタイプなので、2 人が勝負していたら面白いことになっただろう。恐れるクリントンに向かって、選挙参謀のディック・モリスは断言します。「心配はいらない。共和党は大統領候補を選ぶときに正統性を重んじる。かならずドール上院議員を選んでくる」。モリスはもともと共和党系のコンサルタントだったから、相手の手の内が読めていたのである。
あれよあれよという間に、意外な人物が全米の脚光をあびて大統領候補になる、というのは民主党の専売特許です。「州知事を1 期やっただけの、ピーナツ畑の農夫さん」(ジミー・カーター)を大統領候補にしたこともあります。上院1 期目のオバマを候補者に選んでしまった今回も、その大胆さにおいては相当なものと言っていいでしょう。
対照的に、共和党からは意外な候補者はめったに出てきません。1964 年のバリー・ゴールドウォーター上院議員を除けば、ほとんどが順当な候補者です。

モリスは、共和党の大統領候補選びの法則を次のように説明しています。
(1) 予備選で2 人が激戦となったときは、勝った側が大統領選に挑む。
(2) それで失敗した場合は、2 位だった候補者が次の機会に挑戦する。

こんな単純な法則で、ほとんどの説明が付いてしまうのです。1976 年は、フォードとレーガンが対立した。フォードが大統領選に挑戦して敗北。だから1980 年はレーガン。そのレーガンが2 期務めて、1988 年はブッシュ父とドールが対立する。ブッシュが当選。そして1992 年にクリントンに敗れて再選に失敗。
ということは、1996 年はドールが出てくることになる。モリスの読み通り、ドールが順当に候補者の座を射止めましたが、クリントンに返り討ちに遭ってしまう。

2000 年選挙は、ブッシュとマッケインの争いでした。ブッシュが勝って2 期務めた。ということは、2008 年の「正統性」はマッケインにあります。実際のマッケインは大逆転からチャンスを拾ったし、党内では異端視されているけれども、過去のパターンからいえば選ばれることには何の不思議もないのです。
その証拠に、普通であれば72 歳という高齢がネックになりそうなものなのに、党内ではそういう反論が出ない。なんとなれば、1980 年のレーガンは69 歳、1996 年のドールは72 歳。正統性を持つ候補者に対して、「お前は駄目だ」とは言えないのである。

さて、マッケインの挑戦が失敗した場合はどうなるでしょう。2008 年に2 位だったのはミット・ロムニーでした。ということは、2012 年の正統性はロムニーにあり。ずいぶん先の話になってしまいますが、覚えておきましょう。(そのときまで本誌が続いているかどうかは、ちょっと怪しいですけれども)


URL:http://tameike.net/pdfs8/tame399.PDF



アメリカNOW17号 マケイン候補に対する保守メディアの批判と「武士道」的評価 (2008年2月20日 渡辺将人)
TOP政策研究【プロジェクト一覧】現代アメリカ研究プロジェクトアメリカNOW17号 マケイン候補に対する保守メディアの批判と「武士道」的評価 (2008年2月20日 渡辺将人)


【はじめに】
共和党はマケイン候補がスーパーチューズデーで、ニューヨーク、ニュージャージー、カリフォルニアなどの大票田を手に入れ大勝利をおさめた。事実上の独走態勢である。ハッカビーにもマケイン一本化への「反抗」票が入っているが、追い上げは厳しい情勢だ。しかし、マケインに対しては共和党内部で保守メディアを中心に批判が続いている。マケインをめぐる情勢を関係者の声を拾いながら読み解いてみたい。


【共和党保守派にとっての「マケインの大罪」】
一般に共和党内の保守派でマケインに対する批判は以下のようなものに代表される。1:「マケイン=ファインゴールド」選挙資金改革法、2:ヴェトナム軍人仲間の絆によるケリー民主党上院議員との連帯、3:減税への不熱心さ、4:宗教保守派との対立、5:テディ・ケネディ民主党上院議員と組んでの移民政策の寛大化、6:気候変動問題への前向きな取り組み。これ以外にも個別には山ほどあるが、代表的なものをあげただけでも、いかにマケインが中道的で党派にこだわらない(共和党の足並みを必要とあらば無視する)人物かわかる。問題の根の深さは、マケインが経済保守と宗教社会保守の双方を敵にまわしていることである。ハッカビーを取り込んで宗教保守を味方につければそれで「解決」というわけにはいかない。経済保守についても、そのまま放置すれば、本選当日の棄権行為として「反抗票」は表面化する。

経済保守のあいだでマケインの評判が悪いのは、ラス・ファインゴールド民主党議員との政治資金規正をめぐる動きに「加担」したとされる件である。ある共和党系企業弁護士は「マケインはきっとあのとき頭がおかしかったに違いない」と筆者に語る。あの忌まわしいマケインの過ちをもう話題にもしたくないといった風で、「過労で頭がおかしくなっていたのだ」ということにして「赦す」ことにしているのだという。多かれ少なかれ経済保守のマケイン観は常にこの「マケイン=ファインゴールド政治資金規正法の原罪」に戻る。また、宗教保守もマケインの宗教保守派を重視しないリベラルな発言にはわだかまりを抱えており、ギャリー・バウアーらがマケインに敵対的な発言をしている。ロムニーもマケインのリベラル性批判を軸にキャンペーンを展開して一定の支持を得てきた。また共和党にあって不法移民に極端に甘かった事実は負の要素として消せないと指摘する声も強い。


【保守メディアの激しいマケイン批判と冷静な共和党視聴者】
それを煽っているのが、保守メディアである。ラジオトークショーのホストのラッシュ・リンボーは「マケインが指名をとれば共和党は破滅する」と語り、保守コメンテーターのアン・コールターは「マケインに入れるぐらいならヒラリーに入れる」と叫ぶ。FOX Newsのシーン・ハニティは「マケインは保守ではない。レーガン保守でもない」と顔をしかめる。もちろんこうした保守メディアの声は商業メディアの「エンターテイメント」性ゆえだという冷静な見方も党内に多い。ラッシュ・リンボーがラジオに登場して以来のファンを自認する共和党員に話をきいた。「ラッシュは大エンターテイナー。大好きだ。しかし、彼の発言を聞いて、なんでもかんでもディトー(右に同じ)と叫んでそのまま投票行動に反映させるほど共和党支持者も馬鹿ではない。ラッシュは、ラッシュに影響力があると信じている人にしか影響力がない。そもそもラッシュが使う『ディトー"ditto"』という合い言葉は『リベラルな主流メディアへの対抗意見を盛り上げようぜ』という合い言葉であり、『ラッシュの意見に無条件賛成です』というよくある解釈は、初級リスナーがおかす最大の誤解。その程度の理解では、まだまだラッシュのファンとはいえない。熱狂的保守リスナーにはラッシュ批判も意外と多いし、彼の意見もよく揺れる。そもそも今回の大統領選でラッシュはハッカビーにもきわめて批判的だった」。


【民主党の政権奪還阻止が優先】
さて、ここで注目したいのは、こうしたマケインへの保守メディアの批判の嵐にもかかわらず、マケインが予備選の票では圧倒的に共和党内の支持をかためている現実である。序盤のマケインの優勢は、保守票とくに宗教保守がロムニーとハッカビーという、信仰心に訴える候補者の複数乱立で票が割れてしまったことに助けられた面が少なくない。中道票がジュリアーニの失速でマケインに早期に収斂したのに対して、ロムニーの撤退まで、社会保守票はロムニーとハッカビーで票を食い合っていた。事実、ロムニー撤退後のハッカビーは社会保守票を一本化吸収し、ルイジアナとカンザスで見事勝利している。しかし、「社会保守」候補がハッカビーに一本化されたいまでも、なおマケインの勢いは続いている。その背後にある理由として共和党関係者の間で語られているのが、共和党選挙民が「民主党候補との対決を現実に見据えはじめた」という「本選ファクター」である。


【民主党旋風がマケイン一本化を加速させたか】
「ブッシュ政権が2期続き、イラク問題をめぐる厳しい社会論調から、次の大統領選挙は民主党なのではないかという漠然とした不安が共和党内に穏健派、保守派にかかわらず、広がっている」とある共和党員は語る。その象徴がオバマ旋風と、ヒラリーとオバマの激戦による民主党予備選の盛り上がりである。強力な民主党候補と本選で対峙して共和党がホワイトハウスを維持するには、経験豊富で共和党をひろくまとめられる可能性のマケインに「現実的判断」として支持せざるを得なくなっている、という論である。「もし民主党の候補陣がさして魅力的でないか、民主党の予備選が低調で、民主党員の関心や投票率も低率にとどまっていたら、ここまでマケイン1本化が急速にまとまっていたかわからない。共和党選挙民は各自の政策信念を大切に投票し、保守色の薄いマケインはもっと苦戦したはず」という。まさに、オバマの登場とオバマとヒラリーの近年まれにみる民主党予備選の激戦の盛り上がりが、皮肉にも共和党の結束を促してしまったという見立てである。


【「武士道」の男マケイン】
アイオワ党員集会ではハッカビーを熱烈支持して投票しながら、今ではマケインを首位として追認しているアイオワ共和党のある社会保守派の委員の次の発言に注目したい。「マケインは武士道(ブシドウ)の男だ。党員集会ではハッカビーに入れたが、個人的にはマケインの人格は評価している。ブシドウを持っているからだ」。「武士道」をはたして正しく理解しているのかはともかくとして、言わんとしたいことはよくわかる。マケインが「武士道の男」とは一見陳腐ながら面白い見方だ。このマケインの「ブシドウ性」が保守派を納得させる1つのキーワードになっているとこの委員は言う。マケインが「武士道(ブシドウ)」というネーミングで語られているのは、日本人としては興味深いが、共和党員がマケインをどう見ているかの比喩としては非常にわかりやすい。政策面では保守性がなさすぎ「一匹狼の変わり者」(マーヴェリック)の「問題児」だが、人間としては「ブシドウ」を強く持っていて信頼できる男で、アメリカを任せられるというわけである。

まさに退役軍人(ベテラン)受けする「人格優先」評価である。逆にいえば、「人格面」を最大限評価しないかぎり、「政治姿勢」では共和党をまとめきれないという意味でもある。マケインの退役軍人人気は絶大なものがある。演説会場で自分の背中を差し出しマケインに「背中にサインを書いてくれ」とお願いする退役軍人まで発生している。まるでロックスターのコンサートである。マケインも喜んでマジックを手に取り、背中に力一杯サインを書く。その退役軍人は深い敬意と感謝を示す。政策のリベラルさをつい忘れさせる、そういう少し不思議な、「リーダーとしての信頼性」に巻き込まれる空気がたしかにマケインの周囲には流れている。はたして「武士道(ブシドウ)」で共和党をまとめきれるか注目である。それにしても「津波(ツナミ)チューズデー」といい、今回の選挙戦では妙な「カタカナ日本語」が現地で飛び交う。


【保守メディアの党内「外圧」としての役割】
保守メディアは共和党選挙民が最終的にマケインに一本化することを承知の上で、マケインの政策を保守的に変えさせる「外圧」役をあえてかって出ているという理解も共和党内に浸透している。どうせ一般選挙民はマケインに収斂するのであれば、せめて保守メディアぐらいはマケインの針があまりに中道にむかないよう、「教育」のためのシグナルを送り続ける必要があるという、共和党選挙民の現実の投票行動との「役割分担」である。そのため保守メディアのマケイン叩きの激烈さと、現実のマケインの堅調な優勢が乖離した奇妙な展開が続いている。選挙民もそのことを知っているので、コールターやリンボーがいくらテレビやラジオで吠えようと彼らにそのまま同調して反マケインに完全にまわるわけではない。こうした共和党内「外圧」は、当然マケインの副大統領候補選びも見据えたものだ。ハッカビーの最終局面での動向をにらみながら、しばらくは党内のこうした「役割分担」が続きそうだ。

以上

■ 渡辺将人: 東京財団現代アメリカ研究プロジェクトメンバー、米コロンビア大学フェロー、元テレビ東京政治部記者


URL:http://www.tkfd.or.jp/research/sub1.php?id=87







致命的なペイリンのパスポート問題 ― 2008/09/07 11:37


日本の新聞やテレビを見ていると、サラ・ペイリン人気がすごいと思っちゃいますよね。

マケイン指名演説視聴者数がオバマを上回ったとか、9月5日に発表されたラスムセンの世論調査では、両党正副大統領候補の中でペイリンの好感度がトップになったことを取り上げているメディアさんが多いですからね。

しかし、ラスムセンの肝心な世論調査詳細を見ると、8月27日にマケインが一時的に1ポイントリードしたものの、それ以後はまたオバマが巻き返しています。

ラスムセン以外の世論調査結果を見ても、拮抗しているとはいえオバマ優勢を示している。現時点ではまだペイリン人気が支持率に反映されていないのです。

こうした中でこんな記事がありました(苦笑)

▼引用開始
SNSに「米副大統領候補」乱立? ペイリン氏に対抗して「外交経験」を主張
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2514143/3291856

【9月5日 AFP】米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェースブック(Facebook)内で、自身の豊富な「外交経験」を理由に、米大統領選挙の副大統領候補への「立候補」が相次いでいる。

 発端は前週、米大統領選で共和党の副大統領候補に無名のサラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ(Alaska)州知事が起用されたこと。直ちにフェースブック内には、「I have more foreign policy experience than Sarah Palin(わたしにはサラ・ペイリンより外交経験がある)」と題されたグループが立ち上げられた。

「僕の家はギリシャ人一家の上の階で、エジプト人一家の隣だ。つまりサラ・ペイリンより(副大統領になる)資格があるってことだ」(ニューヨーク在住の男性)

「パリに旅行するためにフランス語のフレーズを幾つか覚えたよ。ペイリン氏よりはるかに外交経験があるんじゃないかな」(シカゴ在住の男性)

「最近、中華料理を食べたんだ。それで米中外交のエキスパートになったよ」(バーモント州在住の男性)

 グループを立ち上げたのは、ワシントン大学(University of Washington)学生のティモシー・ゴイダー(Timothy Goyder)さん。登録者数は、米東部時間で4日午後までに1万7000人を突破し、世界各国から10分に100人の割合で新規の登録がある。

 中には、「台湾出身だけど副大統領になれるかな?」と書き込む高校生や、米レストラン・チェーン「アイホップ(IHOP、International House of Pancakes)」の店名の「インターナショナル」に引っかけて、このレストランで何回食事をした経験があるかを「外交経験」として主張する人たちまでいる。

 このグループに掲載されたメッセージによると、ペイリン氏は2007年にパスポートを取得したばかりで、これまで訪れた外国は3か国に過ぎないという。

 ペイリン氏の外交経験不足には批判が集中しており、共和党のある有力議員が擁護しようとして「(ペイリン氏が知事を務める)アラスカ州は、カナダと国境を接し、狭いベーリング海峡(Bering Straits)をはさんで目と鼻の先にロシアがある」などと苦しい説明をする場面もあった。ベーリング海峡は凍結すると、シベリア(Siberia)まで歩いて渡れることもあるが、この議員もそこまでは述べていない。(c)AFP
▲引用終了

ペイリンが副大統領候補になれるぐらいだったら、「おれもなれる。あたしだってなれるわ」と茶化しているようです。

まるでどこかの国の乱立総裁選を見ているようですね。

この記事で注目すべきはペイリンのパスポート問題。

8月30日のニューヨーク・タイムズは、ペイリンが初めてパスポートを取得したのは2007年7月。クエート駐留のアラスカ州兵を訪問し、その足でドイツを訪ねたと報じています。

これに対して9月4日のボストン・グローブは、最初のパスポート取得は2006年。訪れた国はイラク、クエート、ドイツ、アイルランドの4カ国と報じています。

いずれにせよ、ペイリンの外交経験も安全保障経験も無いに等しい。

しかも、情報が混乱する中にあって、「本当にペイリンはパスポートを持っているのか?」とか、「持ってるんだったら見せてよ」とか、「パスポートにスタンプはいくつあるんだ?」などといういじわるな声がネット上で飛び交っています(汗)

今民主党はこの問題を徹底的に調べているはず。

そりゃそうですよ。これまでマケインは外交・安全保障面でのオバマの経験不足を相当批判してきましたからね。

9月26日から始まる重要な討論会。ここぞとばかりにオバマはペイリンの経験不足を追及してくるでしょう。しかもマケインはオバマの経験不足批判を先に仕掛けることはできない。マケイン劣勢が目に見えています。

冷静に考えてみましょう。マケインは今年72歳。何かあったときにペイリンに委せるつもりなのか。米露新冷戦ともいえる状況の中で、米国はもとより西側すべての国が大きな不安を抱えてしまうことになりますよ。

私個人はどちらが勝ってもいいのですw。それでも日本のことを考えるとマケイン政権がいいだろうと思ってきましたが、もはや難しいと判断しつつあります。(ここに貼り付けた画像をクリックし、2004年の大統領選と比較してみて下さい。)

マケイン勝利を見込んでいた日本企業さんも慎重に対応すべき時期が来ていると思いますよ。

とはいえ、あまりのアホらしさに有権者がしらける。投票率がガクンと落ち込む。そして、宗教票パワーが炸裂というマケイン逆転勝利のシナリオは残されています。


<関連記事>
Daily Presidential Tracking Poll
http://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/election_20082/2008_presidential_election/daily_presidential_tracking_poll
General Election Match-Up History
http://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/election_20082/2008_presidential_election/general_election_match_up_history
RealClearPolitics - Election 2008 - General Election McCain vs_ Obama
http://www.realclearpolitics.com/epolls/2008/president/us/general_election_mccain_vs_obama-225.html

McCain Chooses Palin as Running Mate
http://www.nytimes.com/2008/08/30/us/politics/30veep.html
Record shows little foreign experience
http://www.boston.com/news/nation/articles/2008/09/04/record_shows_little_foreign_experience?mode=PF
Democrats search for evidence of Sarah Palin's inexperience
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/us_elections/article4656757.ece


URL:http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/09/07/3749177

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